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経営法令情報の提供 ~26年施行の新法・改正法

経営法令情報の提供_菅原貴与志TskayoshiSUGAWARA

今年の新法・法改正のうち、事業に直結しそうな経営関連法令情報のポイントを発信します。
2026年は、日本のビジネス環境における「物流・労働・環境」の3軸で大きな法的転換点が重なる年であり、これまでの慣習を法的に制限し、企業のガバナンスを一段階引き上げる改正法も施行されます。

取適法(旧・下請法):2026年1月施行

・正式名称は「中小受託取引適正化法」ですが、実態は「下請法の名称変更と大幅強化」です。
・支払手段の適正化(手形払の事実上の禁止):2026年以降、手形や一括決済方式による支払について、現金化まで60日を超えるものは禁止されます。
・「書面の電子化」に関する承諾不要:下請法で義務付けられていた書面交付について、相手方の承諾なくメールやシステム上で提供できるようになります。ただし、「内容が確実に到達しているか」の確認フローをシステム化する必要があります。
・買いたたきの厳格化:原材料高騰や労務費上昇分を価格に転嫁しない「据え置き」は、即座に勧告対象となるリスクが高まります。

労働施策総合推進法:2026年4月施行

・今回の改正の目玉は、いわゆる「カスハラ」への対応義務化です。
・カスハラ対策の義務化:これまで努力義務だった「顧客からの著しい迷惑行為」への対策が義務化されます。マニュアルの作成、相談窓口の設置、被害を受けた従業員のメンタルケア体制を4月までに完備する必要があります。
・就活ハラスメント・インターン生保護:労働者だけでなく、求職者やインターン生に対するハラスメント防止も強化されます。採用面接官のトレーニングや規定の見直しが急務です。

公益通報者保護法:2026年12月施行

・改正により、通報者の特定を試みる行為などへの罰則や行政処分の強化が図られます。
・通報者探索の禁止:犯人捜し(通報者の特定を目的とする行為)が明確に禁止されます。もし探索を行えば、それ自体が是正勧告や企業名公表の対象になります。
・フリーランス・退職者の保護拡大:取引先であるフリーランスからの通報も、従業員と同様の保護対象として扱う体制(通報ルートの整備)が必要です。

資源有効利用促進法(GX推進法):2026年度(4月~)施行

・製造業やエネルギー多消費企業にとっては、「コストとしての炭素」が現実味を帯びる年です。
・排出量取引(GX-ETS)の義務化:一定規模以上の排出事業者は、排出枠の取引に参加し、目標を達成できなかった場合に「不足分を買い取る」法的義務を負うフェーズに入ります。
・再生資源の利用義務化:自動車や家電など、指定された製品において再生素材の使用比率を計画・報告する義務が生じます。設計段階からの見直しが必要です。

貨物自動車運送事業法(トラック新法):2026年4月施行

・「物流2024年問題」の次の一手として、荷主側への法的責任が非常に重くなります。
・「特定荷主」の指定と義務:年間貨物取扱量が9万トン以上の荷主は「特定荷主」に指定されます。中期計画の策定や、荷待ち時間の削減状況を毎年報告する義務が生じます。
・物流管理責任者(CLO)の選任:特定荷主は役員クラスから「物流管理総括責任者」を選任しなければなりません。単なる現場の問題ではなく、経営課題としての位置づけが求められます。

法改正施行スケジュールと対応優先度

法改正施行スケジュールと対応優先度


以上、職務のご参考までに。

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